転職活動

【華やかな世界の裏では実は泥まみれ?】現役海外営業マンが語る、海外営業の実態

こんにちは!イナキンです 。

この記事では

「グローバル環境に身をおける仕事にキャリアチェンジしてみたい!」

「メーカーや商社等の海外営業に興味があり、具体的な働き方を知りたい」

という方に対して、

「海外営業のやりがいやツラさ」について、
私の実体験等をモトに赤裸々に暴露できればと思います。

新卒から約10年メーカーの海外営業職一筋でやってきました。
約3年間の海外駐在や転職経験もあります。

まだ、30半ばの青二才ではありますが、何か少しでも後世の為に

残せたらと思い、ブログに綴らさせていただきます。

海外営業というキャリアについて興味がある方にとっては参考

海外営業として今も働いている方はどこの会社でも一緒
だな

と共感してもらえる内容になっているかと思います。

是非、最後まで読んでいただけますと幸いです。

海外営業のやりがいとは?

1. カッコいい(風?)に見える

オフィスで会議や電話対応で流ちょうに英語や中国語を喋っていたり、

小慣れた感じで海外のお客さんをアテンドしていたりすると

すごーい!カッコよく見えるかも!!

という言葉を頂くことがあります。

海外の人と多言語でやり取りしているだけで、

カッコよくに映るという魔法にかけてもらえるのです。

これだけでもう充分、海外営業を志望する理由になりますよね。笑

慣れてくると魔法が解け、カッコいいと言われなくなり、
いつしか耳障りというステータスに格下げされるのですが。。。

2. 自分自身の価値観が広がる

日々、海外業務に携わっていると、とんでもなく価値観が広がります。

東京ドーム11個分(=東京ディズニーランド)ぐらい広がります。

そして広がりすぎた結果、並大抵のことでは動じない
お地蔵様のような人間が出来上がります。笑

私自身、今まで社内外問わず韓国・中国・東南アジア・インド・中東・ヨーロッパ・
北米の人々と仕事をしたことがありますが、仕事のやり方や考え方は全然違います。

例えば、以下の通りです。

中国の人は、自身の仕事を奪われたくない意識が強く、仕事をシェアしたがらない

東南アジア(一括りにできませんが)は親日の人が多く、日本人にとっては比較的仕事がしやすい。

ヨーロッパ人は効率優先かつ個人主義の考え方が強く、
日本人の様に同僚の顔色を伺って仕事をするといった文化はあまりありません。

価値観は日本人相手のビジネスでも広がりますが、

海外ビジネスをしていると比じゃないぐらい価値観が広くなります。

結果、相手の考えを柔軟に受け入れることができるようになり

より幅広い視野で物事を考えられることができるようになります。

3. 裁量が大きく、自分の意見で物事を進めやすい

海外営業は基本、国や地域(アジア・欧州・北米等)単位区切りでの担当となるため、

担当範囲が非常に広大です。

また、主な業務は以下になります。

  • 市場調査
  • 顧客開拓
  • 販売活動
  • 契約
  • 輸出入
  • アフターサービス
  • 資金回収等

業務範囲も非常に多岐に渡ります

担当範囲、業務範囲が広い故、上司も正直そこまで管理しきれないことも多く、

良い意味で自分の意見・意思が反映されやすい環境です。

束縛されるのが嫌いで、自由にやりたい人の方が向いていると思います

4. 経営層と近く、成長しやすい環境

これは意外と知られていない部分だと思います。

当然、会社や組織の規模による部分もあると思いますが

海外営業は役員や役職者と接する機会が国内営業と比較して多いと私は感じます。

なぜかというと、

海外事業は殆どの会社で注力事業である一方、担い手が少なく、
若手の内から経営層に対して報告の機会がある

現地子会社に役員や出世頭が出向しているケースも多く、通常業務でのやり取りが発生 

特に、海外駐在中は、役員や部長級の方々が査察や会議という名目で
頻繁に出張に来ていたため、数合わせで懇親会に駆り出されていました。笑

普段であればそういった方々と喋るチャンスすらないのが殆どだと思います。

社内営業として顔と名前覚えてもらう良い機会もありますし、

会社の方向性や経営層の考え方を知るのは非常に勉強になりました!


海外営業のキツい部分 ベスト5

1位 やっぱこれだね! 社内報告・調整

某お菓子メーカーのCMソングが頭の中で流れましたでしょうか?笑

セオリー無視でいきなり1位からの発表となりますが、

    営業職の一番のキツさポイントといえば、これに尽きると2社経験した私は思います。

    社内報告・調整がどの仕事よりも体力・気力が奪われます

    海外ビジネスでは納期遅れ輸送中の事故

    為替変動で赤字利益になった等のハプニングはよく起こりがちです。

    普通ならハプニングに対してみんなで知恵を絞って解決へと導きますよね。

    でも、私の場合は違いました。

    上司に報告してもお決まりの様に"で、どうするんだ"としか返ってきませんでした。

    特に前職では、仮に上司の考えと違っていると、説教タイムもセットでついてきました。

    これは単純に上司ガチャに外れたのだと思います。笑

    また、社内調整も難しく、納期調整のお願いを工場にしても、ベンダーから

    調整は無理と返事が返ってきているから、ウチも調整は難しい。以上。との回答のみ。

    そうなると、そこを何とか...この部分だけでも...と、細分化ゴリ押ししかありません。

    (メール送っただけで、納期調整したと言えるのか?と喉元まで出かかっていましたが...)

    社内報告や調整は海外営業ならではのものではないですが、
    海外取引は特にハプニングやトラブルの多く起こりがちで、
    慣れるまではキツい部分だと思います。

    2位 時差対応で生活リズムが崩壊

    例えば、中東やヨーロッパを相手にビジネスをしていると時差の関係で

    日本の夕方4~5時ぐらいからようやく現地が稼働し始めます。

    ここから色々課題が降ってきたり、調整が始まるわけです。

    しかし、日本の朝9時からみっちり働かされている私は既に体力の限界で、

    脳みそも銀行預金の金利(0.000●%)ぐらいしか働いていません。

    さらに、もしここにアメリカ拠点の会社も交えて会議設定しようものなら、

    会議開始が日本時間の夜11、12時になってきます。

    これで寝不足の極み乙女。の完成です。

    丈夫な体で生んでくれた親に本当に本当に感謝です。

    3位 海外出張は鬼ハードモード

      海外営業をしているとよくこんなことを言われます。

      仕事で海外行けて羨ましい!!

      出張?旅行やん!

      いやいや。ちょっと待ってください。

      そんな余裕はありませんと言いたくなります。笑

      空港でひたすら事務作業、時に機内でも事務作業

      現地到着後は事務所や客先へと直行。終わって会食→報告書作成

      基本毎日この繰り返しです。移動→営業活動→移動→会食→報告書作成

      それにプラスで日常業務もあるので、したくても旅行できないのが実情です。

      出張は客先とホテルしか行けない縛りプレイだと思っています(笑)

      といっても、週末をはさんだ出張だと観光できますよ! 

      時差ボケも加わり、海外出張中は常にバタバタで体力・気力との闘いになります

      ですので、海外営業の人に”出張? 旅行やん”と言うと大抵ムッとされます。

      そう思っても、そっと心の奥底にしまっておいてください笑

      4位 伝わらない空気感

        特に海外販社や工場をコントロールしなければいけない時に感じます。

        例えば、製品不具合を起こした時や大きな案件を逸注してしまった際、

        日本本社にはとてつもない緊張感切迫感が漂います。

        言葉で表すとシーンではなく、ツーン。です。

        でも、当たり前といえば当たり前ですがそこまでの空気感、

        100%そのまま海外拠点に伝わることはあり得ません。

        また、例えば英語で伝えようとしたとしても、お互いネイティブスピーカー

        ではないケースも多く、細かいニュアンスまで分からない為、

        伝えきるのは100%不可能です。

        そこで、海外拠点と見えない心理的な壁が存在し、

        それが時に他の業務に影響を及ぼしてしまうのです

        賛否あると思いますが、仕事中の日本人の独特の重い空気感
        個人的にはもう少し何とかならないかと思っています。。。

        5位 個人商店の集合体のような組織

          海外営業あるあるだと思いますが、担当エリアや業務内容が

          人によって全く異なる為、個人で仕事を進める形式になりがちです。 

          隣の同僚が何をしているか分からないということもしょっちゅうあります。

          従って、マニュアルがあって手とり足取り教えてもらうというよりは、

          "習うより慣れろ"スタンスが強く、自分で学ぶ姿勢が重要となり

          何も分からない、新入社員の時は特に苦労しました。

          また、慣れれば自分のカラーが発揮し易くなりますが、

          その分責任ものしかかってくる為、興味がある方は

          その点も、意識しなければいけない部分だと思います。


          それでもやってよかったと思える理由

          1.個人ではできない経験をたくさんできる

          端的に言うと出張で色んな国に行き、人と出会う

          そこで多様な価値観に触れ合うという経験はなかなか

          個人でできることではありません。

          多少の苦労は買ってでも、色んな経験をしてみたい

          臆することなく人との出会いを楽しむことに自信がある

          こんな方にはピッタリな職業だと思います。

          仕事で出会った人や価値観はかけがえのない財産になります

          2.キャリアに「海外経験」という強みが加わる

          グローバル化という言葉も陳腐なものになっている昨今ですが、

          海外経験を詰んだ日本人はまだまだ少数派で、

          キャリアアップや転職を目指しているのであれば狙い目です。

          特に絶望的に人材不足な昨今、圧倒的にチャンスです。

          どの企業も海外事業を伸ばしたいと募集を多くかけている一方、

          成り手は多くない為、門戸が広がってきています。

          一度、海外ビジネスの経験があると、後のキャリア選択肢はかなり広がります。

          日系企業、外資系企業、現地採用etc…色んな手段が選択可能となります。

          3.言葉の壁より“人との信頼”が武器になる

          上記にも関連しますが、以下の理由で秒で閉店宣言をしてしまう人を沢山見ました。

          言語が出来ないから、海外ビジネスは無理

          これに関して、今は喋れなくても、環境に身を置くと自ずと喋れるようになります。

          むしろ、言語は上手くなくても海外営業として働いている人は沢山います。

          言語はあくまでツールでしかありません。それよりも

          どう考えて行動し成果に結びつけられるか

          周囲と信頼関係を築いていけるか

          こちらの方がビジネスマンとして重要な要素となります。

          言語は勉強さえすれば、後から必ずついてきますよ

          興味のある方は、是非チャレンジしてみましょう!!


          まとめ

          「かっこいい」と言われる裏で、日々泥まみれでどれだけ悪戦苦闘しているか

          少しでも参考になりましたでしょうか?

          海外営業は、見た目以上にハードで地味な仕事の連続ですが、

          得られるものも大きく、自分自身の人生の価値をきっと高めてくれます。

          また、体力的にはしんどい部分もありますが、

          やっぱり今でも出張に行ったりすると楽しいです

          色々と参考にしていただき、勇気をもって海外営業のエリアに足を踏み入れる人が

          1人でも多くなれば幸いです。

          -転職活動